国内の看護師の配置基準について

国内における看護師の配置基準は、海外に比べて低い水準におかれています。社会の高齢化にともない、入院患者の重度化や医療の高度化に対応できるよう、配置基準の見直しが叫ばれています。日本看護協会も配置基準を手厚くするよう、要望活動を続けてきました。その結果、2006年度の診療報酬改定において、患者7人に対して看護師1人という「7対1」基準が設けられました。加えて、各時間帯で働く看護師の人数を、病棟ごとに表示することも義務付けられています。安心感のある医療が提供されるには、看護師の適切な配置基準が不可欠です。

そのためには、診療報酬も適切な水準にしなければなりません。国民が納得のいく医療サービスを受けられれば、それが診療報酬にも反映されます。医療や看護現場の取組が診療報酬に適切に反映されることで、提供されるサービスの質も向上すると言えます。また、そうした取組が情報として、社会全体に伝わることも大事です。現場の実情を知らなければ、国民は納得できないからです。

看護サービスの質を向上させるため、2009年7月に看護師関連の法律が改正されました。そこでは看護師試験の受験資格に、大学卒業が明記されています。保健師と助産師の教育年限も、6ヶ月以上から1年以上に延長されました。そして、新人看護職の卒後の臨床研修が、努力義務となっています。しっかりとした看護体制を取り、看護サービスの質が向上することで、医療報酬に対する国民の理解が進むと期待されています。